二次創作的ゼノシリーズ考察

"Xenogears"および"Xenosaga"の超個人的見解入りまくり二次創作的考察

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下位領域の監視と管理 / Xenosaga

下位領域宇宙と宇宙集合体 0%

 すべての4次元宇宙がそうであるかどうかはわからないが、劇中の4次元宇宙は誕生当初から問題を抱えている。放っておくと寿命が来て崩壊してしまうし、それでなくてもトラブルを起こして自壊する危険性を孕んでいるのである。
 自壊を含めた次元宇宙の崩壊は宇宙集合体の均衡を乱すため、上位領域の監視者は下位領域が崩壊しないよう監視を行うと共に、随時トラブルシューティングに当たっている。それでも崩壊が避けられない場合は、他の次元宇宙に影響が及ばないような形で下位領域を消去する。後者はフェイルセイフと呼ばれ、これはひとつの次元宇宙を犠牲にして宇宙集合体を守るための仕組みである。

監視=観測行為 10%

 下位領域でトラブルが起きると、その情報はエラー報告システムアニマによって「トラブルを起こした張本人の意志の伝達」という形でゾハルを通じ上位領域にもたらされる。ここで言う意志には、欲望や願い、祈りなど、人間が持つ様々な意思や感情も含まれる。
 これを感知した上位領域の監視者は、扉=ゾハルを開いてトラブルを起こした張本人を調査し、必要であれば接触を図り問題の解決に当たる。監視者による調査や接触を、劇中では観測行為と呼ぶ。
 観測行為は原則的に意志の伝達を受けて行われるものであり、監視者が能動的・自発的に観測を行うことはない。作中に登場する監視者(ウ・ドゥ)は積極的に能動的観測を行っているが、これは宇宙集合体レベルからすれば完全なイレギュラーである。

 観測は特殊な波動を介して行われ、監視者が直接下位領域に出向くことはない。ゾハルから観測用の波動を発し、対象に反射するなどして戻ってきた波動を分析することで、下位領域の状況を把握するのである。潜水艦探知のアクティブソナーや、コウモリが超音波を発しながら餌を探すようなものと考えるとわかりやすい。
 また観測用波動は、闇雲に発信するのではない。意志を伝達してきたアニマの固有波動(後述)を逆探知することで発信源を特定し、そこに向け極めて限局的に放たれる。監視者は反響する波動をゾハル経由で受信してトラブルシューティングを行うが、ウ・ドゥはより正確に受信するため、またアニマを経由せず自分の好みで下位領域の意志をチェックするため、下位領域に観測端末を設置した。ただしこれは我々の社会でいう違法行為のようなもので、宇宙集合体レベルから見ると、これも完全なイレギュラーである。

 この端末は観測用波動の反響以外にも様々な波動を常時受信しており、潜水艦探知におけるパッシブソナー網SOSUS(海峡など戦略上重要な海底に敷設される観測網)と同じような役割も果たす。端末から送られてきた波動がウ・ドゥの興味を引けば、能動的観測の対象となる。
 アニマに伝達された(あるいは端末で受信した)意志や感情が強ければ強いほど監視者の注意を引きやすくなり(ヘヴン状態のアルベドや恐慌状態に陥った子供&大人ダブルシオン)、監視者の注意を引けば引くほど観測行為の規模は大きくなる。つまり観測用波動が強くなる。

 作中の人々はこの観測用波動をウ・ドゥと呼称し、波動の形態を持つ意識体であると考えていた。だが正確には作中におけるウ・ドゥ(波動状意識体)そのものが意識を持っているのではなく、これはウ・ドゥ(上位領域在住の監視者)が自らの意志で下位領域に発信した観測用の波動にすぎない。つまりこの波動は無線や携帯電波のようなもので、電波を受信した下位領域の住人が「謎の波動は意志を持っている!」と 誤解しただけである。
 作中の監視者ウ・ドゥが下位領域に初めて降り立ったのはEp.3のエンディングで、それまで観測用端末にすぎなかったアベルに乗り移るという形をとった。それ以外に監視者ウ・ドゥが上位領域から出てきたことは、Ep.1〜3を通じ一度もない。

観測行為の問題点 5%

 観測行為は、行為そのものが下位領域の崩壊を推し進めてしまうという致命的な欠点を持っている。アニムスが調整しきれないレベルの大規模な観測が行われると、下位領域の崩壊が一気に進んでしまうのだ。このような崩壊は宇宙の事故死とも言い換えられ(他の崩壊には宇宙の自然死=老衰がある)、連鎖的に上位領域や宇宙集合体の崩壊を引き起こす危険がある。

 分かりやすく言えば、観測行為とは監視者が「お前らなにバカなことしてんだよ!? それ俺たちの宇宙までやばいんだけどなんとかしろよ!!」と下位領域側にクレームの電話を入れることである。クレームの勢いは伝達された意志の強さに比例して強くなり、クレームの勢いが一定レベルを超えると下位領域の崩壊が進む。お客様相談窓口のオペレータ(下位領域)が度重なるDQNクレーム(大規模な観測行為)で神経をすり減らし(崩壊が徐々に進行)、鬱病になって退職(崩壊)に追い込まれるようなものである。通常の問い合わせ(通常レベルの観測行為)だけならば、オペレータのストレスも自分で解消できる範囲にとどまるので(アニムスによる抑制)、それが原因で退職することもない。

 作中では古代ロストエルサレム時代や地球消滅時、ミルチア紛争時など、現代社会なら訴訟レベルのDQNクレームを何度も入れられたもんだから、劇中の4次元宇宙は崩壊寸前である(古代ロストエルサレム時代に下位領域の消去が決定しちゃったレベル)。さらに作中の監視者ウ・ドゥがかなりダメダメなやつで、宇宙集合体的には違法行為である能動的観測を積極的に行っているため、崩壊に拍車がかかってしまっている。

監視者(ウ・ドゥ)の問題点 20%

 本来観測行為は、アニマによる意志の伝達=トラブル発生の原因を究明し、対応策を立てるために行われる。だがウ・ドゥは原因を探るばかりでトラブルを解決しようとせず、原因を調べてるうちに状況が悪化、しかも気付いているのかいないのか、調べる手段そのものが状況を悪化させるという悪循環に陥っている。

 ウ・ドゥによる能動的な観測は、下位領域の誰かがウ・ドゥの興味を惹くような感情や意志を持ったときに行われる。この感情や意志は、ウ・ドゥが独断で下位領域に設置した観測端末が感知する。つまりアニマが伝達したものではない。
 下位領域への過剰アクセスは下位領域を崩壊させてしまうので、本来監視システムはこれを厳しく制限している。アニマは報告するトラブルを厳選し、観測はアニマを介した場合にのみ許可され、観測そのものもアニムスによる制限を受ける。だがウ・ドゥはアニマを介さず無制限に観測を行い、ついでに下位領域のアニムスは機能停止中(後述)。このままでは下位領域がウ・ドゥによって破壊されてしまう! 立ち上がれ、伝説の戦士たち!(ゼノサーガは突き詰めるとこんな話である)

 アニマを介さない観測行為は、下位領域への不正アクセスのようなものである。
 上位領域という中小企業があるとして、自社のみならず親会社や関連企業の存亡にも関わる重大な機密情報が保存されているデータベースを下位領域とすると、データベースの管理を任されていた派遣社員ウ・ドゥがウイルス感染した私用パソコンでデータベースに不正アクセスを繰り返し、気付いたらほとんどのデータが破壊されていて、会社を倒産の危機に追い込んだウ・ドゥはクビ&通報。ウ・ドゥは不正アクセス防止法で逮捕される直前に下位領域に亡命し、正体を隠し人間アベルとして生きていくことにしました(後述)。
 もしかしたらゼノサーガは、来たるべき現実社会の未来を予見した物語だったのかもしれない(ゼノサーガエピソードI『力への意志』2002年2月28日発売)。

管理=フェイルセイフ 5%

 下位領域において修復不可能なレベルの「重大かつ深刻なトラブル」が発生した場合は、その旨をアニマが直接監視者へと伝える。重大かつ深刻なトラブルとは、下位領域宇宙の崩壊が確定したということであり、修復不可能なレベルにまで下位領域宇宙の崩壊が進んでしまった状況を指す。つまり放っておけば近日中に次元宇宙が完全に崩壊するという意味で、該当するのは下位領域宇宙の寿命が近付いたか(老衰で危篤)、下位領域宇宙が崩壊するほどの観測行為を誘発するトラブルが発生した場合である(大事故に巻き込まれ虫の息)。
 アニマから「重大かつ深刻なエラーが発生しました」と連絡を受けた上位領域側の監視者は、下位領域のアニマ(とアニムス)を用いて下位領域を消去する。アニマが次元宇宙消去を遂行する一連の仕組みを、フェイルセイフと呼ぶ。

 フェイルセイフは、滅多なことでは発動しない。常時アニムスが観測行為を自動的にコントロールし、観測が下位領域に与える影響を可能な限り抑制しているからだ。
 アニムスは「次元宇宙の崩壊を回避するシステム」なので、監視者のトラブルシューティングに伴う下位領域への悪影響(治療に伴う合併症や薬の副作用のようなもの)を抑制することで、次元宇宙の寿命を可能な限り伸ばしてくれる。だがトラブルが蓄積されたり、アニムスでは対処しきれないほどの大規模な観測行為が行われるなどして崩壊が決定的になると、アニマと連携してフェイルセイフを遂行することで崩壊を回避する。アニマもアニムスも、本質は宇宙集合体の安定を図るためのシステムであり、下位領域宇宙を守るシステムではないからである。

 ちなみに宇宙保護システムは、崩壊と消去どちらからも下位領域宇宙を守るべく行動する、純粋に下位領域保護のために働くシステムである。

崩壊と消去の違い 0%

 崩壊と消去(フェイルセイフ)の違いは、ビルの解体に例えると分かりやすい。
 いきなりビル(下位領域)が倒壊すれば周囲(宇宙集合体)への被害は甚大だが、倒壊しそうなビルを先に解体しておけば、影響は最低限に抑えられるし被害はほとんど生じない。この場合の解体は日本の変態技術を駆使した平和的解体工事ではなく、大陸的な爆破解体(内側に向かって崩れるよう爆薬を設置し、タイミングを計算して点火する)である。点火装置と爆薬はアニマ、爆薬の量や爆破のタイミングを調整するのはアニムス、解体を決定し、実際に点火ボタンを押すビル管理者は上位領域の監視者にそれぞれ該当する。またビルが倒壊しそうだと判断し、その旨をビル管理者に伝えるのもアニマの役目である。